給与計算ガイド

社会保険料の計算方法

健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険 -- それぞれの計算式と具体的な数値例を図解で解説します。

1標準報酬月額(SMR)の決定

社会保険料は、従業員の実際の給与額そのものではなく、標準報酬月額(SMR: Standard Monthly Remuneration)に基づいて計算されます。SMR は一定の幅をもつ「等級」に区切られており、総支給額を等級表に照合して決定します。

SMR 決定プロセス

総支給額を算出
等級表を照合
SMR 決定
区分等級数下限上限
健康保険50等級¥58,000¥1,390,000
厚生年金32等級¥88,000¥650,000

健康保険と厚生年金では等級表が異なるため、同じ従業員でも健保SMR年金SMRが異なる場合があります(例:月収 ¥700,000 の場合、健保SMR = ¥710,000、年金SMR = ¥650,000)。

2健康保険料の計算

計算式

健康保険料 = ceil( 健保SMR × 都道府県料率 ÷ 100 ÷ 2 )

都道府県別の料率一覧は保険料率テーブルをご覧ください。

3介護保険料の計算

計算式

介護保険料 = ceil( 健保SMR × 1.60% ÷ 100 ÷ 2 )

適用条件

40歳以上65歳未満の被保険者(第2号被保険者)のみ徴収されます。39歳以下および65歳以上の従業員からは徴収しません。

年齢別の徴収対象

〜39歳:徴収なし
40〜64歳:徴収
65歳〜:徴収なし

4厚生年金保険料の計算

計算式

厚生年金 = ceil( 年金SMR × 18.3% ÷ 100 ÷ 2 )

上限キャップの仕組み

月収 ¥500,000年金SMR ¥500,000 → ¥45,750/月
月収 ¥650,000年金SMR ¥650,000 → ¥59,475/月
月収 ¥1,000,000年金SMR ¥650,000(上限) → ¥59,475/月
CAP

5雇用保険料の計算

計算式

雇用保険料 = ceil( 総支給額 × 業種別料率 ÷ 100 )

雇用保険は標準報酬月額ではなく、総支給額(grossSalary)に対して計算されます。他の社会保険とは計算基準が異なる点に注意してください。

業種従業員負担率備考
一般の事業0.6%サービス業、小売業、IT等
建設の事業0.7%建設業全般
農林水産・清酒製造0.7%農業、林業、漁業、清酒製造

6計算の全体フロー

総支給額等級表照合 → SMR 決定総支給額健康保険料厚生年金保険料介護保険料雇用保険料健保SMR × 都道府県率年金SMR × 18.3%健保SMR × 1.60%総支給額 × 業種率合計 = 社会保険料

7具体的な計算例

例A

東京都 / 一般事業 / 35歳 / 月収¥350,000

SMR¥360,000

健康保険(360,000 × 9.98% ÷ 2)¥17,965
介護保険なし(35歳)
厚生年金(360,000 × 18.3% ÷ 2)¥32,940
雇用保険(350,000 × 0.6%)¥2,100

合計¥53,005

例B

大阪府 / 建設業 / 45歳 / 月収¥500,000

SMR(健保 / 年金)¥500,000 / ¥500,000

健康保険(500,000 × 10.22% ÷ 2)¥25,550
介護保険(500,000 × 1.60% ÷ 2)¥4,000
厚生年金(500,000 × 18.3% ÷ 2)¥45,750
雇用保険(500,000 × 0.7%)¥3,500

合計¥78,800

8よくある質問

標準報酬月額はいつ決まりますか?
毎年7月に「定時決定(算定基礎届)」により決定されます。また、固定的賃金(基本給・役職手当等)に大幅な変動があった場合は、「随時改定」として変更届を提出します。
パートタイムも社会保険に加入しますか?
一定の要件を満たすパート・アルバイトは社会保険の加入対象です。主な要件は、週の所定労働時間が20時間以上、月額賃金が¥88,000以上、従業員51人以上の企業に勤務、2ヶ月以上の雇用見込み、学生でないこと等です。
賞与にも社会保険料がかかりますか?
はい。賞与には「標準賞与額」(1,000円未満切捨て)に対して、健康保険・厚生年金・介護保険の各料率を乗じて計算します。上限は健保が年度累計573万円、厚生年金が1回あたり150万円です。
社会保険料は会社と従業員で折半ですか?
健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料は事業主と従業員の折半(労使折半)です。一方、雇用保険は事業主負担のほうが大きく、従業員負担率は一般事業で0.6%、事業主負担率は0.95%です。
70歳以上の従業員の社会保険料は?
厚生年金は原則70歳で資格喪失となり、保険料の徴収はなくなります。健康保険は75歳まで加入し、75歳以降は後期高齢者医療制度に移行します。

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